【カフカの箴言44】猟犬と獲物
【原文】
Noch spielen die Jagdhunde im Hof, aber das Wild entgeht ihnen nicht, so sehr es jetzt schon durch die Wälder jagt.
【和訳】
未だに、猟犬は庭で遊んでいるが、しかし、猟獣(獲物)は猟犬から逃げては行かないし、猟獣の方が今ではすでに森という森を走り抜けて狩りをしているほどに、そうなのだ。
【解釈と鑑賞】
これは、現実の何かを分析したカフカが、それを歴史的、伝統的な狩りの世界でのことに変換して書いた一文です。
庭と訳したのは、だれかの山城か、宮殿か、また平地の城館の中庭か前庭であって、そこに猟犬が集められているのでしょう。
そのような現実を思い描いた。
しかし、猟犬の目的である獲物を追うということを、猟犬はしないでいる、遊んでいる。他方、その間に、獲物の方が狩りをしているというのです。
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