2016年1月24日日曜日

伊藤文學さんの出版記念会

昨日は、薔薇族の元 編集長、伊藤文學さんの新刊、『やらないか!』の出版記念会であった。文學さんのお気に入りの、いつもの銀座である。

その世界では今も人気の高い山川純一の絵を使っての、謂わば文學さんと山純(と短く愛称されている)のコラボレーションである。文學さんの文章も、勿論相変わらず、いい。


楽しい3時間だった。文學さんの人脈は多彩で、昨年の紅白歌合戦に出場した大原櫻子さんのお姉さん(実は、わたしは学生のときからのお姉さんを知っているのだった)、仙台の河北新報社の東京支社長、この方の曰く2011年3月11日1日で読者が4万人減少とのこと、理由は翌日配達にいっても投函する家がなかったとのこと、今は半分が回復ということであった。その他全学連で二千人の学生を指揮した60代後半の出版社社長(警察に捕まるやつには3つのタイプしかないと言って教えてくれた)、背中に 「ウホッ!いい男」というキャッチコピーに山純の男の絵を背中に描いたTシャツを着て新橋の通りを会社まで歩くと、その数百メートルの間に1週間で20人の男色者に声を掛けられるのだとのこと。そのうちの2人は美しい若者であるとのことだ。10%にこころ惹かれるという。本人はノンケである。しかし、もうこの歳だから、試しにやってみようかといっている、多分半分は冗談。女流棋士、林葉直子のヌード写真集を近々出版とのことで、その本を見せてくれた。ご本人は不治の病であるやうだ。生前最後の出版になるだろう。この女性は美しさが仇になったな。社長のTシャツの背中が見えようか。立っているのが文學さん。



文學さんは、週刊文春に報ぜられたとのことであるが、80を過ぎて、男色を経験してみたとのこと。僕のおチンチンはこの年だから、快楽もないしオシッコを出すだけのもの、今度また関西からその坊さんがやってくるが、もうお断りしますといって笑いをとっていた。坊主の世界にも、いるのだな。しかし、坊主だというのが何か納得する気持ちがするのが不思議だ。確かに、坊主も男の世界である。

それから、イタリア人の若い研究者で、薔薇族を読んで修士論文を書いてイタリアで本にして評判をとった日本語の実に流暢な好青年。ヨーロッパにはこの手の世界に関する詳細なレポートがないとのことである。薔薇族はすべてアメリカのコロンビア大学に収蔵されているのだが、ヨーロッパの大学の図書館にもどこかで収蔵されることを願う。本人にはその気配ないようである。

また、東大の若い先生で、LSBGの専門なのだとか、文學さんの観察によれば、バイセクシュアルはないというのであるが、その質問に答えて曰く、学生の研究の成果によれば、男女ではことなるさうである。男性にはほとんどいないとのこと。女性はいるのださうだ。この東大の先生の同伴の若き女性は誠に美麗であり、私も眼福に預かったが、従い、ご本人にはその気配はない。




それから、団鬼六さんの奥さんの美声を拝聴。20分間の歌謡の舞台を拝見。キングレコードの専属歌手とは知らなかった。70を過ぎてなほ美声でした。30歳のときに団鬼六と出逢って、前妻と子供を蹴っ飛ばして一緒になるのに9年かかったと、歌の合間に語ること、これもまた普通に苦労の人生であったらうか。しかし、出席者はみなそれを笑い飛ばしていた。そういう年齢であり、そのような人たちである。



復刻ドットコムの社長とも再見。ご挨拶をする。上の写真に後ろ姿が見える。前回お会いしたのは、銀座のキャバレーであった。やはり文學さん主催のパーティーである。安部公房が絶版になることはあるまいが、万が一のときの命綱である。文學さんの書籍は社内全員反対、これを押し切って出版のところ、大当たりをとって面目を施したとのこと。今では編集者の反対者はなく、みな改宗したとのことである。めでたし、めでたし。

下は、わたしの隣に座った美しき編集者女子である。目元涼やかにして切れ長の、肌は美白である。既に文學さんの本を手掛けている。更なる他の著者の新刊の紹介中であるが、売れることを祈る。もぐら通信を読んでくださるとのこと、ありがたきかな。良き土曜日の午後であった。