2014年11月29日土曜日

【カフカの箴言45】我なる馬に馬具をつけよ



【カフカの箴言45】


【原文】


Lächerlich hast du dich aufgeschirrt für diese Welt..


【和訳】

哀れなことに、お前はこの世のために、自分自身を馬に譬(たと)へていうならば、馬であるお前に馬具をつけたのだ。


【解釈と鑑賞】


世の中で生きることを、このように言ったカフカの心情は、おかしなものではありません。

まあ、馬に自分を例えるというところが、わたしたち日本人とは一寸感覚が異なります。

DTVの出した短編集で、オフィス(事務所)を主題にした短編小説を集めたものの中に、カフカの短編があり、階上の事務所の窓かヴェランダの窓を開けていて、遠くから馬車の響いてくる音を書いたものがありました。

また、同じ短編集でありましたか、馬に乗って疾駆するインディアンの人形
を書いた数行の短文があって、きっと何かの仕掛けで馬が上下か前後に動くようになってるのでしょう、そのインディアンの乗る馬の首が、次第に消滅していくというのがありました。首がなくなったときには、インディアンは馬ではない馬に乗っていることになる、ある時制を使った複雑な文章でした。

馬は、カフカに何かを教えた、そのような動物なのでしょう。



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