2019年6月3日月曜日

『韓国のトリセツ』を読む

このトリセツを読むと、韓国はシミュレーション・ゲーム国家だといふことがよく判る。国家そのものが歴史にIFといふ条件文を立てたらどうなるかといふ架空の現実を描いたシミュレーション・ゲームの、そして/しかし現実の、この隣国の韓国といふ国はIF文だけで成り立つてゐる国だといふことです。これは「信長の野望」などといふゲームソフトと同じです。韓国はシミュレーション・ゲーム国家であると断じて(誰も反対しないが)、そのゲームの攻略本として書かれたのが此の「韓国のトリセツ」である。

この本を読むと、このことがはつきりと解つて、非常に頭の中がスッキリします。

この場合のゲームソフトの商品名は「韓国の野望」といふべきか、はたまた「韓国大統領の野望」といふべきか、「韓国民の野望」といふべきか、いづれにせよ、どのIF文を日本人のゲーマーが選択しても常に韓国が勝つて、日本の国から金をせしめることに成功するといふ乞食出世物語のストーリーになつてをり、捏造歴史戦の画面の左上には金ピカメッキに輝く宝箱があつて、日本が負けるたびに日本からせしめた賠償金がチャリンチャリンと金貨になつて貯金される設計になつてゐる。

ゲーマーの冒険のステップが進むとステップごとに負けるための道具を嫌でも手に入れねばならず、それを手に入れるたびにシミュレーション・ゲーマー日本は自虐的にパワーが落ちて行く。このゲームはパワーゲームではなく、パワールージング・ゲームである。この場合、落ちて行くのはパワーのみならず、勿論日本の国と日本人の威信も名誉もチャリンチャリンといふ金貨の音ともに堕ちて行くのである。

といふ一方的なゲームにも、もはや賞味期限が来て、寿命が尽きましたよ、日本のゲーマーの皆さん、さあ、頭を「戦後」ヴァーチャル脳から令和リアル脳へと切り替へませう、と呼びかけるために筆者の書いたのが、この「「韓国の野望」攻略本」で、今書店に並んでベストセラーである。もし見つからなければ、間違ひなく、ゲーム攻略本の棚に並んでゐます。詩集を刺繍本の棚の中に並べる書店員がゐるので、この可能性は非常に高いのです。

この本の表は其の通りの題名であるが、裏の題名は「「韓国の絶望」攻略本」といふのである。裏の題名を表にし、表の題名を裏にして朝鮮語に翻訳したら、シミュレーション・ゲーム国家大韓民国でもベストセラーになる筈だ。是非朝鮮語に翻訳すべきだといふ読後感を持つた。その場合、もはや賞味期限が来て、寿命が尽きましたよ、韓国のゲーマーの皆さん、といふ呼びかけの一行が本の帯文を飾ることになるだらう。

しかし、この攻略本を読んでゐて、ふと気がつくと背筋が寒くなつたのだが、シミュレーション・ゲーム国家とは「戦後」70有余年の日本のことでもあるのであつた。それ故に現下の日本は韓国にそつくり(シミュレーション)なのだと気づいたのである。この本を読み、ふと気づいて周りを見渡せば、日本国憲法を戴いてゐるものの、このシミュレーション国家では、誰も、上は政治家、法曹界、行政官僚から下は庶民に至るまで、誰も法律を守る者はなく、無法地帯のシミュレーション・ゲームの世の中である。日本国憲法といふシミュレーション・ゲームで自虐的に遊んできた「戦後」70余年のうちの特に遊びすぎて政治を忘れた平成の30年間の私たちなのであつた。

1960年代の日本人は高度経済成長期に自らをエコノミック・アニマルと自称したが、自虐性はなかつた。しかし、今や日本人はマネー・ビーストと化して、自国と距離を失ひ、それ故に恥じるところがないといふ無道徳の惨状である。「戦後」日本の製作してきたあらゆるゲームソフトは日本が負け続けるシミュレーション・ゲームのストーリーであつて、今や韓国が乞食なのではなく、気がつけば、日本が乞食国家になつてゐたのである。

誰が日本の小説家で「菊の花が咲きました」といふ小説を書くやつはゐないのか(同書126ページ参照)、そして、これを映画化して、更にはシミュレーション・ゲームにしてゲーム業界で大儲けしようとするマネー・ビーストよ出でよ。

そして、著者の書いてゐるやうに、このゲームのシナリオのストーリーからは次に引用する日本の過ちが最初から排除されてゐる日本製のオリジナル・シナリオにして欲しいのだ。「戦後」70余年の日本は自国製の勝利のシナリオを書いたことがなかつたのだから。

「スペイン出身の米国哲学者ジョージ・サンタヤーナ(一九六三年~一九五二年)が言った「歴史に学ばない者は、過ちを繰り返す」という言葉は真理だろう。日本は絶対に、朝鮮半島併合を繰り返してはならない。
 一九一〇年の日韓併合は近代日本の過ちだった。二十一世紀の現時点で振り返ってみたとき、何ひとつ得るものがなかったというのは、過ち以外の何ものでもなということだ。マイナスでしかなかつたことは、歴然たる事実である。」(同書230ページ)


私が次に著者に期待する攻略本の名前は、中華人民共和国と朝鮮半島の統一高麗連邦と日本を舞台にした近未来シミュレーション・ゲーム「「三国志」攻略本」である。いや、待てよ、その前に、日本人のための「日本のトリセツ」を書いてもらふことの方が先である。よろしくお願ひします。