2015年4月9日木曜日

【ショーペンハウアーの箴言65】私たちは夕方には貧しくなっている。一日分だけ。

【ショーペンハウアーの箴言65】


【原文】

Jeden Abend sind wir um einen Tag ärmer.


【和訳】


毎晩、わたしたちは、一日づつ、貧しくなっている。


【解釈と鑑賞】

意味深長な一行です。

普通は、毎日その分だけ、年をとるというところでしょう。

しかし、毎晩、その一日の分だけ、その昼間の分だけ、貧しくなっているというのです。

これは、一体何を言っているのでしょうか。

毎晩とは、一日が終わるたびに、と解釈することもできます。そう解釈すると、一日を終えると、その一日分岳、貧しいという意味になります。

しかし、何故昼の一日を経ると貧しくなのか。

反対の一行を作ってみましょう。

Jeden Morgen sind wir um eine Nacht reicher.

毎朝、わたしたちは、一夜の分だけ、豊かになる。

とかうしてみると、やはり今回の箴言の毎晩とは、晩とは訳しましたし、それは間違っていないのですが、正確には夕暮れの時間、即ち一日の終わりを意識する時間であり、そのあとの夜に移る移行の、間(はざま)の時間ということになります。

一夜眠ると、わたしたちは、その分、その時間の分だけ、豊かになっているのでしょうか。それを、ショーペンハウアーはいっておりません。

それとも、今回の箴言の意味は、やはり貧しくなるのは、夕方である、その日の晩であると言っているのでしょうか。

この哲学者にあって、真意を尋ねたいものです。

あるいは、これから見て行く箴言の中に、この箴言に関係のある箴言が出てくるかも知れませんので、その折に、またこの一行に戻って考えてみることにしませう。








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