【ショーペンハウアーの箴言54】我欲と認識
【原文】
Aller Eigensinn beruht darauf, dass der Wille sich an die Stelle der Erkenntnis gedrängt hat.
【和訳】
すべての我儘(わがまま)は、意志が認識の地位に突き進んだということの上に、胡座(あぐら)をかいてゐるのだ。
【解釈と鑑賞】
これも、その通りです。
意志が、宇宙を生んで、その生成してやまない宇宙の最高位に認識の主体たる人間が生まれ、意志を認識する。
しかし、その間、人間が認識に至ったまでの、至るまでの、至るであろう迄の間には、それぞれの階層で、すべてのエゴイズム、すべての我欲が現れて、互いに傷つけあい、殺し合う。
トーマス・マンの『トニオ・クレーゲル』の中の一行、愛するものは常に敗者であるという一行を思います。
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