2014年10月4日土曜日

【カフカの箴言36】問いと答え



【カフカの箴言36】


【原文】


Früher begriff ich nicht, warum ich auf meine Frage keine Antwort bekam, heut begreife ich nicht, wie ich glauben konnte, fragen zu können. Aber ich glaubte ja gar nicht, ich fragte nur.


【和訳】

以前は、わたしは、何故わたしがわたしの質問に答えを得られないのかを理解しなかったが、今日の今理解していないことは、わたしは、質問することができることをどのように信用することが出来ていたのかということである。しかし、わたしは、そう、全然そうは信じていなかったのであり、わたしは唯質問するのみだったのである。



【解釈と鑑賞】

これもカフカというひとを思わせる箴言です。このような人間であったのでしょう。

質問をするだけであって、どのように質問できるかというその好意そのものについては、信用するものではなかったというカフカ。

自分の頭で考えて生きようとしたカフカの姿が彷彿とします。どのような日常の細部においても、そのように。



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