【ショーペンハウアーの箴言62】脳味噌と胃袋の関係
【原文】
Das Gehirm denkt, wie der Magen verdaut.
【和訳】
脳味噌は、胃袋が消化するように思考している。
【解釈と鑑賞】
これもショーペンハウアーの真骨頂です。
その主著『意志と表象としての世界』の中で、デカルトの考へを批判して、知性といふものを意志(エロス、生命力)の下に位置づけてをりますから。
脳の働きは、内臓の消化器官の働きと、人間にとつては、同じ意味を持ってゐる、あるいは同じ意味しかないのだといふのです。
とは言へ、この哲学者は、その主著にをいては、常にデカルトには聡明なるといふ形容詞を冠し、褒め称へてをります。
もうあと二人、褒め称へてゐる哲学者がをります。
それは、プラトンとカントです。
前者を呼ぶときは常に、神のやうなプラトン、後者を呼ぶときは常に、偉大なるカントと呼びならはしてをります。
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