2015年3月21日土曜日

【ショーペンハウアーの箴言62】脳味噌と胃袋の関係


【ショーペンハウアーの箴言62】脳味噌と胃袋の関係


【原文】

Das Gehirm denkt, wie der Magen verdaut.


【和訳】

脳味噌は、胃袋が消化するように思考している。

【解釈と鑑賞】

これもショーペンハウアーの真骨頂です。

その主著『意志と表象としての世界』の中で、デカルトの考へを批判して、知性といふものを意志(エロス、生命力)の下に位置づけてをりますから。

脳の働きは、内臓の消化器官の働きと、人間にとつては、同じ意味を持ってゐる、あるいは同じ意味しかないのだといふのです。

とは言へ、この哲学者は、その主著にをいては、常にデカルトには聡明なるといふ形容詞を冠し、褒め称へてをります。

もうあと二人、褒め称へてゐる哲学者がをります。

それは、プラトンとカントです。

前者を呼ぶときは常に、神のやうなプラトン、後者を呼ぶときは常に、偉大なるカントと呼びならはしてをります。


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