2014年5月17日土曜日

【カフカの箴言16】呼吸と場所


【カフカの箴言16】


【原文】


An diesem Ort war ich noch niemals: Anders geht der Atem, blendender als die Sonne strahlt neben ihr ein Stern.



【和訳】

この場所に、わたしは今迄一度も来た事がなかった。即ち、違った風に、呼吸をし、それは、太陽が自分自身の他に一個の星を照らす以上に輝いていたのだ。


【解釈と鑑賞】


この箴言は、意味深長です。カフカが実際に経験したことを、そのまま書いたものだと思われます。

カフカに、この場合特徴的なことは、この出来事、この経験を

1。場所の問題としてとらえていること。
2。呼吸の問題としてとらえていること。
3。呼吸が変われば、人間という小さな生き物が、太陽という恒星に匹敵する輝きを、それもこの圏内のすべての星を照らすのではなく、一個の星を(それ以外に)照らすということ。

このようなことになるでしょう。


これが、何を意味するのか。考える時間は貴重だと思います。

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