2014年12月27日土曜日

【ショーペンハウアーの箴言48】宗教と森の伐採


【ショーペンハウアーの箴言48】宗教と森の伐採




【原文】

In früheren Jahrhunderten war die Religion ein Wald, hinter welchem Heere halten und sich decken konnten. Aber nach so vielen Fällungen ist sie nur noch ein Buschwerk, hinter welchem gelegentlich Gauner sich verstecken.


【和訳】

比較的早期の数百年間は、宗教は一個の森であって、その後ろでは、大勢が駐留し、身を防ぎ、保証を得ることができた。しかし、かくも多くの木々が伐採されると、宗教は、かろうじて一個の藪であり、その後ろには、時には詐欺師が隠れているのである。

【解釈と鑑賞】

このような森と伐採の譬喩は恐らくヨーロッパに、そして多分の森の多いドイツにあっては、一般的に通じる譬喩であるものだと思います。

近代、現代の宗教には詐欺師が隠れているというのは、全くその通りで、それはカルトと呼ばれている通りです。

ショーペンハウアーの譬喩はいつも透徹しております。その主著『意志と表象としての世界』にあっても同様の通りに。


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