2014年4月19日土曜日

【ショーペンハウアーの箴言12】人間、所有、社会、苦悩


【ショーペンハウアーの箴言12】


【原文】

An sich selber so viel zu haben, dass man der Gesellschaft nicht bedarf, ist schon deshalb ein grosses Glück, weil fast alle unsere Leiden der Gesellschaft entspringen.


【和訳】


自分自身でかくも沢山のものを所有していて、その結果、社会を必要としないということがあれば、それは、次の理由によって、既に大きな幸福なのである。何故ならば、我々のほとんどすべての苦悩は、社会から生まれているからである。


【解釈と鑑賞】


これも、この哲学者の人間と所有と社会に関する洞察から生まれた箴言ということが言えませう。

まことに、この通りであると思います。

眼目は、最初の出だしのAn sich selberというところにあります。自分自身でと訳しましたが、自らにおいて社会を必要としないほどのものを所有している者はという意味です。


この場合の自分自身においてとは、精神的な意味も含むことでしょう。もし世俗的な所有を離れた所有をする者がいれば、やはりその者には大いなる幸福があるということになるのではないでせうか。それとも、これは、わたしの偏った考えでありませうか。

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