【ショーペンハウアーの箴言11】
【原文】
Der Wechsel allein ist das Beständige.
【和訳】
交換、替わり、交替すること、或いは変化ということだけが、変わらぬ、不変のものだ。
【解釈と鑑賞】
ショーペンハウアーという人のものごとの本質を突いた箴言のひとつだと思います。
これは、この通りではないでしょうか、この世界の相というものは。これを仮に実相と呼ぶとすると、実相とは存在しない、無であると、ショーペンハウアーは言っているのです。
この哲学者の主著『意志と表象としての世界』の最後は、Nichtsという言葉、一言で終っております。延々と書いて叙述した宇宙と人間の絵巻の最後、これらすべては無だという結論に、この箴言の由来する思想があると思います。
この一行を味わえば味わうほど、ものごとの本質を実相として又仮相として見ることができる、試金石の箴言です。
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