2014年4月12日土曜日

【ショーペンハウアーの箴言11】


【ショーペンハウアーの箴言11】


【原文】

Der Wechsel allein ist das Beständige.


【和訳】


交換、替わり、交替すること、或いは変化ということだけが、変わらぬ、不変のものだ。


【解釈と鑑賞】


ショーペンハウアーという人のものごとの本質を突いた箴言のひとつだと思います。

これは、この通りではないでしょうか、この世界の相というものは。これを仮に実相と呼ぶとすると、実相とは存在しない、無であると、ショーペンハウアーは言っているのです。

この哲学者の主著『意志と表象としての世界』の最後は、Nichtsという言葉、一言で終っております。延々と書いて叙述した宇宙と人間の絵巻の最後、これらすべては無だという結論に、この箴言の由来する思想があると思います。


この一行を味わえば味わうほど、ものごとの本質を実相として又仮相として見ることができる、試金石の箴言です。

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