2015年2月7日土曜日

【ショーペンハウアーの箴言56】男は女に既にして負けている


【ショーペンハウアーの箴言56】


【原文】

Ist eine Frau im Spiel, hat der mann schon verloren.


【和訳】

女が遊ぶならば、男は、既に(試合に)負けているのだ。


【解釈と鑑賞】

女が遊ぶという前半の条件文のドイツ語の言い方は、直訳すれば、
女が遊びの中にいるならば、女が遊戯の中にいるならば、女がゲームの中にいるならば、女が試合(ゲーム)の中にいるならば、という意味です。

従い、主文の、結論部の文のverlorenは、単にダメになるとか、何かを失うというのではなく、試合に負けるとか、敗者であるという意味になるでしょう。

ドイツ語の言葉の意味の連鎖を踏まえた一文です。

もっと言えば、男のことをいうのに、既にという副詞を使っているのに、女の方には時間を現わす副詞を使っておりません。

ということからも、女の強さ、最初からの、いつからそうであるということを一切問わない文になっております。哲学用語で、transzendental、難しい日本語の訳では、超越論的に、というのが其の意味でありませう。

既に、気がついても気がつかなくても、女はゲームの中にゐるのであります。そして、男はいつも負ける運命にあるのです。

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