2014年3月2日日曜日

【カフカの箴言6】


【カフカの箴言6】


【原文】

Der entscheidende Augenblick der menschlichen Entwicklung ist immerwaehrend. Darum sind die revolutionären geistigen Bewegungen, welche alles Frühere für nichtig erklären, im Recht, denn es ist noch nichts geschehen.



【和訳】

人間の成長の決定的な瞬間は、いつも継続してあるということ。それ故に、革命的な、精神的な運動が、総てそれ以前のものを無価値だと宣言しても、それは正しいということになり、それは何故かというと、今だに何も起きていないからなのである。


【解釈と鑑賞】

これは、当たり前と言えば、当たり前のことを言っているに過ぎない箴言かと思います。

しかし、よく考えてみれば、その手の運動は、この程度だということを言っているのかも知れません。

即ち、時間が瞬間の連続であり、未来のことは今起きてはいないので、何でも言えるということ、未だ生起していないという限りに、それは正しいということ。

しかし、正しいと書くカフカの眼は、辛辣な眼であると、わたしは感じます。それでは、革命など起きないし(革命が正しいものだと仮定しての話ですが)、また精神など欠片(かけら)もない運動だということになるでしょう。




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