【カフカの箴言6】
【原文】
Der entscheidende Augenblick der menschlichen Entwicklung ist immerwaehrend. Darum sind die revolutionären geistigen Bewegungen, welche alles Frühere für nichtig erklären, im Recht, denn es ist noch nichts geschehen.
【和訳】
人間の成長の決定的な瞬間は、いつも継続してあるということ。それ故に、革命的な、精神的な運動が、総てそれ以前のものを無価値だと宣言しても、それは正しいということになり、それは何故かというと、今だに何も起きていないからなのである。
【解釈と鑑賞】
これは、当たり前と言えば、当たり前のことを言っているに過ぎない箴言かと思います。
しかし、よく考えてみれば、その手の運動は、この程度だということを言っているのかも知れません。
即ち、時間が瞬間の連続であり、未来のことは今起きてはいないので、何でも言えるということ、未だ生起していないという限りに、それは正しいということ。
しかし、正しいと書くカフカの眼は、辛辣な眼であると、わたしは感じます。それでは、革命など起きないし(革命が正しいものだと仮定しての話ですが)、また精神など欠片(かけら)もない運動だということになるでしょう。
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